初めてのウイスキー~お店に行ってみよう編~

ウイスキーを知りたい。
どのように知りたいか、どっちのパターンが自分に合ってるか決まりましたでしょうか。
「楽しみたい」を選んだ方の最初の壁、それはウイスキー置いてるお店って大体が入りづらくない?というものだと思います。
もしかして作法とかあるんじゃないの?とか、何も知らないと恥をかくのでは?といった風に。
そのイメージとてもよくわかります。
僕は今でも初めて行くバーは緊張しますし、なんなら何度か行ってても緊張することが多々あります。
僕の身近な飲食関係の人もだいたい同じ感覚なので、言ってしまえばバーってそういうものだと思ってください。
そう考えると、もう立ち位置はほぼ同じです。
あとはお店に入るか入らないか、それだけです。
でも本当に初めてだとかなり緊張すると思いますので、ウイスキーに関しては軽く背中を押しましょう。
ちなみに、よっぽどのことがない限り入店拒否されることはないですからご安心を。
格式が高いお店だとドレスコードがあったりしますが、そういったものがないお店のほうが多いと思ってください。
普段行くお店と同じようにお店へ入り、席に座り、注文する。
まったく同じです。
入口の扉が重たく感じるかもしれませんが、ここまで頑張ってみてください。
注文さえすれば、あとは飲むだけですから!
でも、ここでもう1つ緊張してしまう理由がありますよね。
「ウイスキーってどうやって注文するの?」という不安。
お店側からすると何も気にはならないのですが、やはり注文する側からすると何か間違えてたり変だったりしないか、というのは気になるものですよね。
そんな不安を解消するには、3つのポイントだけ知ってれば大丈夫。
それは、「銘柄」「量」「飲み方」です。

銘柄

銘柄、ようは飲みたいウイスキーの名前です。
メニューには基本カタカナで表記されてますので、シンプルにそれを読めば大丈夫。
日本語表記されてない場合、初見で読むのはかなり難しいです。
英語であればまだなんとかなるかもしれませんが、ゲール語などもあり発音がかなり異なります。
その場合は正直お手上げなので、お店の人に聞くなりしましょう。
年数が書いてあるものはそのまま読めば大丈夫で、「12年」であれば「じゅうにねん」です。
場合によって「12years」「12y」と書いてありますが英語表記とその略ということなので、こちらも「じゅうにねん」と読めば問題ありません。
ウイスキーを注文するときはまず「銘柄」を伝えましょう。

次に量です。
これは指定しなければ、基本的に「シングル」という量が出てきます。

シングル・ダブル

ウイスキーを飲むときの量は大抵のお店が約30ml単位。
メニュー表記「シングル」「S (=シングルの略)」は約30mlのことで「シングル」と言えば大丈夫です。
メニュー表記「ダブル」「W (=ダブルの略)」は約60mlのことで「ダブル」と言えば大丈夫です。
なんだよ30mlしか入ってないのかよ、と思った方もいるかもしれませんがウイスキーはアルコール度数が高いお酒であり、30mlでも十分に威力がありますので、くれぐれも飲み過ぎにはご注意を。

ショット・フィンガー

少し変化系で「1shot」「2shot」という表現だったり、「1figer」「2finger」という表現があったりします。
読み方はシンプルに「ワンショット」「ツーショット」と「ワンフィンガー」「ツーフィンガー」です。
ショットはシングルやダブルと同じ量で表現の違いと思って頂いても問題はありません。
フィンガーはその英語の意味である「指」をそのまま示していて、ワンフィンガーならグラスに指1本分の高さの量を、ツーフィンガーなら指2本分の高さの量を、となります。
とはいえ、国よって単位は異なりますし、昔からの表現(指なんて当然のように個人差がある)もあったりするので、お店によって量が異なるということはあります。

日本であれば多くのお店が「シングル = 30ml」「ダブル = 60ml」で表現してますので、こちらで「量」を伝えましょう。

飲み方

ウイスキーの銘柄と量を伝えたら、あとは飲み方を伝えましょう。
言ってしまえばウイスキーの飲み方は人それぞれ自由で好きなように飲めば良いのです。
ですがその中でもおおまかなスタイルがもちろんありますのでご安心を。
最初から「あとはご自由に」と言われても困ってしまいますからね。
種類ある中でもメインはこの4つのスタイル「ストレート」「ロック」「水割り」「ハイボール」です。

ストレート

ストレートは何も加えずウイスキーをそのままの状態で飲むスタイルです。
そのままのアルコール度数なので飲み慣れてないとそれはそれは強烈に感じるでしょう!
なんせどれも40度以上はありますからね。
一応補足しておきますが、このアルコール度数が高い飲み方が好きな人、決してアル中な訳ではないので。
何も足してないからこそ、そのウイスキー自体の味や特徴を濃いままに受け取ることができる、そんな飲み方です。
ちなみにこの飲み方、日本ではストレートと言うことが多いですが「ニート」と言うこともあります。

ロック

ロックはウイスキーに氷だけ入れた状態で飲むスタイルです。
ウイスキーに浮かぶ氷を「ROCK (岩)」に例えたことが由来だとか。
ストレートに氷を入れるかどうかの違いですが、ウイスキーが冷えることで印象はだいぶ変わります。
また、氷が溶けることで少しずつウイスキーのアルコール度数が薄くなっていきます。
ウイスキー自体の力強さを感じながら、しかしストレートよりは少し柔らかい飲み口で、という気分のときに良いかと思います。

ストレートやロックで注文したときに「チェイサー」という言葉を聞くことがあります。
この「チェイサー」とはお水のことです。
どちらの飲み方も度数が高いので、併せてお水も飲んだほうが身体に優しいよ、というもの。
せっかくなので頂いておきましょう。

水割り

ウイスキーを十分な量の水で割った状態で飲むスタイルです。
日本では昔からこの飲み方が親しまれています。
ウイスキーに氷を入れしっかりと水で割る、そうすることでアルコール度数が低くなりぐびぐびと飲みやすくなります。
十分な量の水で割っている分、ウイスキー自体の特徴も薄まってしまいますが、だからといって特徴がなくなるわけでもありません。
街中ではこの水割りのスタイルで飲む人が減ってきてはいますが、日本ではまだ根強く残っている飲み方といえます。

ハイボール

ウイスキーを十分な量の炭酸水で割った状態で飲むスタイルです。
今も人気のある飲み方で、現在日本で一番親しまれているスタイルと言っていいでしょう。
割っていることでアルコール度数が低くなり飲みやすいこと、そして炭酸水のしゅわしゅわによる爽快感、これが人気の理由ではないでしょうか。
日本では基本「ハイボール」で伝わりますが、海外の方だと伝わらないことも多いです。
「〇〇(銘柄) with soda」のように表現することが多く、定番の飲み方ではないようです。
同じように日本でも「ハイボール」だけでなく「ソーダ割り」で伝えても大丈夫。

他にもスタイルはありますが、多いのはこの4スタイルです。
ウイスキーを注文するとき、あとは「飲み方」を伝えましょう。

注文するときの例

3つのポイント「銘柄」「量」「飲み方」を紹介してきました。
あとはこれらを参考にして頂ければスムーズに注文ができます。
忘れたところで問題は何もありませんのでご安心を。
口頭でのパターンをあげると「〇〇(銘柄)を××(量)で△△(飲み方)、お願いします。」という感じ。
実際に例をあげていくと、
「メーカーズマークをシングルで水割り、お願いします。」
「山崎をダブルでロック、ください。」
「カナディアンクラブをハイボールで、ちょうだい。」(量の指定なし)
という雰囲気です。

なんとなくのパターンさえ知っていればお店に行くのも少しは緊張が和らぎますよね。
それでも扉を目の前にすると緊張したりもしますが、そんなものです。
扉を開ける勇気だけ用意してお店に行ってみてください。